始める前の判断材料
起業前の市場調査のやり方|最初に確認する5つのこと
「市場が伸びている」と「自分の商品が売れる」は別の問いです。起業前は、業界の大きさだけでなく、誰に・どこで・いくらで売り、何を確認してから投資するかを整理します。
1. 調べる対象を一文にする
「カフェ市場」では範囲が広すぎます。「平日の午後、駅周辺で作業場所に困る人に、電源のある席を時間単位で提供する」のように、顧客・場面・提供するものを分けます。これは仮説です。思いついた説明を、そのまま需要の証拠にしないことが出発点です。
2. 需要を、実際の行動から確かめる
想定顧客が今どう解決しているか、最後にいつお金や時間を使ったかを聞きます。「あったら使う?」だけでは、好意的な返事と購入意思を区別しづらいためです。検索候補や口コミは困りごとの発見に使い、購入件数や市場規模と同じ数字として扱いません。
3. 直接競合と代替手段を並べる
同じ商品を売る会社だけでなく、自作、無料サービス、何もしない選択も比較します。価格、対象顧客、購入経路、選ばれる理由を、公式ページと実際の利用条件で確認。口コミから得た不満は、その人の利用時期や条件も残します。
4. 売上より先に、1件あたり残る金額を置く
販売価格から、原材料、梱包、送料の負担、販売・決済手数料など、販売に伴う費用を引きます。さらに家賃などの固定費と作業時間を分けて書き出します。仕入先の見積もりを取っていなければ「推定」とし、都合のよい原価だけで結論を出さないようにします。
5. 調査を終える条件を決める
調べ続けるだけでは判断できません。次に試すこと、期間、費用の上限、続ける条件、止める条件を先に書きます。条件を満たさなかったときに、対象顧客や価格を変えるのか、いったん保留するのかも決めておきます。
コピーして使う調査メモ
- 顧客と困る場面:
- 今使っている代替手段と価格:
- 確認した行動・出典URL・確認日:
- 事実/推定/未調査の区別:
- 販売1件に必要な費用と固定費:
- 次の実験・期間・費用上限・終了条件:
空欄を埋めることより、まだ分からないことを残す方が判断に役立ちます。
公的データを使うときの注意
政府統計の総合窓口 e-Statなどで、地域・業種・人口の背景を調べられます。集計の対象、調査年、地域、単位を確認し、全国の数字をそのまま商圏の売上見込みに置き換えないようにします。
市場カルテの札幌の作業カフェの公開サンプルでは、調べたことと未調査の項目をどう分けるか確認できます。サンプルの数値は個別条件による例で、そのまま別の事業には使えません。